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興行収入200億円超えの映画で全ての制作スタッフがどれぐらい稼いだかをエンドロールに表示するとこうなる

By Julia Sergina

これまで全世界興行収入が2億ドル(約214億4000万円)を超えた映画は「アバター」「タイタニック」「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」などが挙げられますが、それだけの興行収入をたたき出すことに成功した大ヒット映画の制作スタッフは一体いくら稼いでいるのか、ということを映画のエンドロール形式で表示していくムービーが公開されています。

How Much Everyone Working On a $200 Million Movie Earns | Vanity Fair - YouTube


「架空の大ヒット映画の予算 ~興行収入が2億ドル(約214億4000万円)超の映画制作に携わるとどれくらい稼げるのか~」


映画を制作する要となる「映画監督」の稼ぎは400万ドル(約4億2800万円)。


「エグゼクティブ・プロデューサー(製作、製作総指揮)」が100万ドル~110万ドル(約1億700万円~1億1800万円)。


キャスティングや予算調達などを行う「プロデューサー」は1人あたり100万ドル(約1億700万円)ほど。


映画監督がメガホンを取るための元となるストーリーを担当する「脚本家」は共同執筆になることが多く、今回は3人で執筆した場合を想定。メインの人が325万ドル(約3億4800万円)で、2人目が90万ドル(約9600万円)、3人目が25万ドル(約2670万円)となっており、かなりばらつきがあるようです。


カメラ・照明の配置や撮影構図など、撮影パートのトップである「撮影監督」は90万ドル(約9600万円)。末尾の「A. S. C.」は「全米撮影監督協会(American Society of Cinematographers)」の会員であることを表しており、協会が異なればギャラも変わってくるのかも。


被写体となる場所を造形する美術設計を一手に担う「美術監督」は77万9688ドル(約8300万円)を得ています。


撮影したカットを適切に組み合わせる「編集技師」は92万4500ドル(約9900万円)。「A. C. E.」は「アメリカ映画編集者協会(American Cinema Editors)」のこと。


役者や映画シーンの雰囲気にあった衣裳を選定する「衣裳デザイナー」のギャラは31万5000ドル(約3400万円)。


「主演俳優」のギャラは1200万ドル(約12億8000万円)でスタッフの中でもダントツ。俳優は興行収入から割合で追加収入を得ることがありますが、この金額は初回オファー額なのか追加収入を加えた額なのかは不明です。


「主演俳優その2」は450万ドル(約4億8000万円)。


「主演俳優その3」は150万ドル(約1億6000万円)です。


プロデューサーの下で責任者として指揮をとる「UNIT PRODUCTION MANAGER」は39万4200ドル(約4200万円)、撮影のスケジュールなど現場の進行を担当する「チーフ助監督」は29万425ドル(約3100万円)、チーフに次ぐセカンド助監督が12万6815ドル(約1360万円)、アクションの設計および撮影の指導を行う「アクション監督」は108万6000ドル(約1億1600万円)、プロデューサーに準じた仕事を行う「共同プロデューサー」が15万ドル(約1600万円)。


全キャスト(役者)の配分は以下のようになっており、「助演俳優その1」が40万ドル(約4300万円)、「その2」が7万5000ドル(約800万円)。助演俳優その3はなく、「親友役」が7万5000ドルで、「アカデミー賞受賞俳優がカメオ出演」しても同じく7万5000ドルでした。その他に役名のある「出演者(DAY PLAYER)」は960ドル(約10万円)~2万1050ドル(約225万円)とかなり幅があり、役によっては「ネコ」の1万3000ドル(約140万円)より少ないこともあるようです。この他に「エキストラ(役名なし)」が1人あたり148ドル(約1万6000円)を受け取っています。「主演女優との撮影シーンがあったもののカットされた俳優」が1920ドル(約20万円)という項目があるのも興味深いところ。


特にアクション映画には欠かせないスタントマン勢は、「アクション指導(スタント・コーディネーター)」が27万9150ドル(約2990万円)、「主演男優のスタントダブル」が11万6250ドル(約1240万円)、「主演女優のスタントダブル」が10万4625ドル(約1120万円)、「主演男優のスタンドイン」は2万9994ドル(約320万円)で、「主演女優と親友役のスタンドイン」は2万7222ドル(約291万円)と、男女で少し格差があります。その他、「スタントマン」は1138ドル(約12万円)~1万1254ドル(約120万円)の幅があり、例えば「炎をくぐるスタントマン」は7503ドル(約80万円)、「窓から身を投げるスタントマン」は3751ドル(約40万円)など、行うスタントの内容でもギャラが上下する模様。


また、「CGはお金がかかる」とよく言われますが、CGやVFX関係のスタッフの収入を見ると以下のようになっています。「VFXスーパーバイザー」の収入は94万8560ドル(約1億100万円)で、「VFXプロデューサー」が50万7439ドル(約5430万円)、「CGスーパーバイザー」が20万2500ドル(約2200万円)など。


実際にCGやVFXを手がける「デジタルアーティスト」は1人あたり20655ドル(約220万円)の収入を得ており、さらにエンドロールの画面に入りきらないほどの人数が使われています。


デジタルアーティストとは別に、3人の「CGアーティスト」の収入が1人あたり129万8560ドル(約1億3900万円)。4人の「CGモデラー」も1人あたり84万300ドル(約8993万円)で、3人の「CGアニメーター」は1人あたり95万7180ドル(約1億240万円)など、CGやVFX関係のスタッフは1人あたりの雇用コストが高めの模様。今やどの映画にもCGが使われていますが、CGを取り入れれば取り入れるほど高くなるのはスタッフの人件費も関係していそうです。


このような感じで、映画のエンドロールの役割で名前が表示されるべきところに、興行収入200億円の映画制作で得られたギャラの額が試算されています。これらの試算は超大作映画の平均予算から人的コスト以外を除外して計算されたものなので、必ずしも正確な額ではないことに要注意です。映画のエンドロールには映画監督や役者以外にも膨大な数のスタッフが羅列されていますが、いつも何気なく見ている縁の下の力持ちな裏方を担当している職業の人の収入まで細かく書かれているので、「映画制作に携わる仕事がしたい」と考えている人全てに参考になりそうな内容になっています。

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in 動画,   映画, Posted by darkhorse_log

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