ハードウェア

Googleが「相手の話す言葉を字幕化&自動翻訳してくれるスマートグラス」の存在を明らかに


Googleの最新技術や新製品、新サービスが発表されるデベロッパー向けイベント「Google I/O 2022」が2022年5月11日・12日の2日間にわけて行われました。その中で、拡張現実(AR)を体験できるメガネ型デバイスの存在が明らかとなりました。

Augmented reality can break down communication barriers – and help us better understand each other by making language visible. Watch what happens when we bring technologies like transcription and translation to your line of sight. #GoogleIOpic.twitter.com/ZLhd4BWPGh

— Google (@Google)


ヴィヴァさん(左)は、母語が非英語の母親(右)とコミュニケーションが取れないことがあるとのこと。


そこでGoogleが渡したのが以下のメガネ。


このメガネをかけると……


相手の話した言葉が逐一テキストに文字起こしされ、表示されます。


この男性も、Googleから渡されたメガネをかけています。


メガネの内側から見える光景を再現したところが以下。相手の顔の下に、相手の話している言語とその内容が字幕で表示されています。


このGoogleのメガネ型デバイスのリサーチパートナーには、耳が不自由な人も参加しています。


普段は手話を使ってコミュニケーションをとっているそうですが、相手が手話を知らないとコミュニケーションが非常に難しくなります。しかし、このメガネ型デバイスがあれば、相手の話している内容が字幕で表示されるので、相手に手話を強制する必要もありません。


Googleはこれまで「Google Glass」というARデバイスを開発していました。このGoogle Glassは2015年に一度販売中止となったものの、その後法人向け製品として「Google Glass Enterprise Edition 2」が販売されています。このGoogle Glass Enterprise Edition 2はメガネフレームに小型のARディスプレイを装着したデザインとなっています。

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ただし、今回発表されたムービーに映っているメガネ型デバイスには、Google Glass Enterprise Edition 2のようなARディスプレイがついていません。2020年にGoogleが買収したスマートグラス開発企業のNorthは、フレームからレンズに映像を投影する構造のスマートグラスを開発しており、見た目にはいたって普通のメガネに近いものになることで話題となっていました。今回のムービーに映っているメガネ型デバイスには、このNorthの技術が応用されている可能性があります。

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また、Googleは2022年5月に小型かつ省電力のマイクロLEDを開発するRaxiumを買収すると発表。このRaxiumのマイクロLEDもまたスマートグラス開発に役立てられるのではと期待されています。

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Googleは2022年1月にスマートグラス開発プロジェクト「Project Iris」を推進中であると報じられています。今回発表されたメガネ型デバイスがこのProject Irisなのかどうかは不明で、いつ頃リリースされるものなのかも明らかにされていませんが、Googleが記事作成時点でもスマートグラスの開発を積極的に行っていることは間違いなさそうです。

Googleのサンダー・ピチャイCEOは基調講演の中で「この先、コンピューティングの新しいフロンティアとして、ARはこれらすべてをさらに拡張する可能性を秘めています。GoogleはARの分野に多大な投資を行い、多くのGoogle製品にAR技術を組み込んできました。これらのAR機能は、携帯電話ではすでに有用な存在となっていますが、現実の世界で技術に邪魔されずに使えるようになると、その魔法が本当に生きてくるのです。この可能性こそが、私たちがARに最も期待するものです。現実の世界で、実生活で、重要なことに時間を費やすことができるようになります。なぜなら、現実の世界はとても素晴らしいからです」とコメントしています。

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in ハードウェア,   動画, Posted by log1i_yk

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